青空研究室

三ツ野陽介ブログ

読書感想文

ありのままでモテない勇気と『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見 一郎、古賀 史健著)

アドラー心理学では、他者から承認を求めることを否定します。(……)他者の期待など、満たす必要はないのです。(……)他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになります。(……)すなわち、「自由と…

「こじらせ」と「俺萌え」〜本田透『喪男の哲学史』

私は思います。日夜想像します。人の視線や、世間の常識や、善悪の基準すら関係のない自由な世界で、どんなものにもとらわれず、好きな装いをし、気持ち良く深い呼吸をしている自分を。(『女の子よ銃を取れ』pp.6-7) 昨日のエントリーで紹介した雨宮まみさ…

「美しくなる」とは「自由になる」こと?〜雨宮まみ『女の子よ銃を取れ』

雨宮まみさんという物書きがいて、自伝的エッセイ集『女子をこじらせて』が、たいそう面白かったので、その次に出た『ずっと独身でいるつもり?』も読み、いちばん最近出た『女の子よ銃を取れ』という本も読んだのだが。 僕もやはり、独身三〇代女子の心中に…

[読書感想文]松竹伸幸著『集団的自衛権の深層』

この本の書名が『集団的自衛権の真相』ではなく『深層』となっているのは、「この問題は、集団的自衛権に賛成か反対かという角度だけでみていては、深い理解に達することはできない」(p.15)という、著者の思いがこめられているのだと思う。 集団的自衛権の…

[読書感想文]正義の武力行使はあるか〜最上敏樹著『人道的介入』

戦争と平和について考えていたら、以前、最上敏樹『人道的介入 正義の武力行使はあるか』という本を読んだことがあるのを思い出したので、付箋を貼ったところを中心に、ざっと読み直してみました。 「人道的介入」はおもに、国連の平和維持活動にどう協力す…

自由とは後悔のことなのか〜中島義道『後悔と自責の哲学』

「選択可能性と道徳的責任」と『後悔と自責の哲学』 前回の記事(こんな僕でも訳者になれた )では、『自由と行為の哲学』と題された共訳書のなかで、フランクファートという哲学者の「選択可能性と道徳的責任」という論文を翻訳したことがあるんですよ、と…

僕がイケダハヤトさんを尊敬してる件〜イケダハヤト『なぜ僕は「炎上」を恐れないのか』

僕ぐらいの年齢になると、自分より年下の物書きが華々しく活躍するといったことも、いちいち嫉妬してたら身が持たないほどあるわけだが、年下の評論系の人のなかで僕がいちばんリスペクトしているのは、イケダハヤトさんである。 僕が最近ブログを毎日更新し…