青空研究室

三ツ野陽介ブログ

現代社会

「自分たちのサッカー」とロマン主義 日本サッカー敗戦記2014

オクスフォードの哲学者アイザイア・バーリンによれば、18世紀の終わり頃、ヨーロッパに現れたロマン主義者たちは、「失敗は何かまやかしで卑俗さをもつ成功より高貴であると信じていた」のだという。「一八二〇年代までに、あなた方は、精神態度、動機を帰…

インターネットにおける実名の問題

僕が実名で書ける理由 10年か、それ以上前の僕は、「いまの自分はこんなんだけど、将来まったく違う人間に生まれ変わって、この自分を恥ずかしく思うときが来るかもしれない」という感覚を持って生きていた。 例えば、10年かそれ以上前の自分と言えば、モー…

知性の種類と馬鹿の種類〜コンサルタント的知性について(2)

前のエントリー(誰が世の中のことを一番分かっているのか〜コンサルタント的知性について)は、問題提起しただけで終わってしまった。 なるべく1500字ぐらいに記事を収めようとしているのと、23時59分までに毎日更新というのを心がけているので、中途半端な…

誰が世の中のことを一番分かっているのか〜コンサルタント的知性について(1)

文芸批評の時代 「かつて文芸評論家が担っていたような役割を、今は社会学者が担うようになった」ということが、よく言われた時期があった。十年ぐらい前の話である。 まあ、ほとんどの人の耳にはそんな声は入ってこなかっただろうが、僕が読んでいたような…

幸せの互換性〜『黒子のバスケ』脅迫事件と人生格差問題(2)

前回のおさらい 昨日のエントリー(幸せの配り方〜『黒子のバスケ』脅迫事件と人生格差問題)では、「「カネ」「地位」「オンナ」「名誉」といったそれぞれの領域において、個別に格差を是正しなくても、それらのゲームが別々に行われて、こっちのゲームで勝…

幸せの配り方〜『黒子のバスケ』脅迫事件と人生格差問題(1)

「人生格差犯罪」という予言 先日公開された『黒子のバスケ』脅迫事件(Wikipedia)被告人の手記は、そのショッキングな内容と、筆者の文章力によって、特にネット上では話題になった。 「黒子のバスケ」脅迫事件の被告人意見陳述全文公開1 「黒子のバスケ」…

誰もが何者でもないが何にでもなれる時代

もっとブログの更新頻度を増やしたい……と何度か言っているのだが、全然そうならない。これからは、近況報告や、思いつきのようなメモも、気軽にちょくちょく書いていこうと思う……ということも前に書いたことがある気がするのだが。 四月から千葉県にある体育…

「アメトーーク!」と僕らの時代

「アメトーーク!」が好きで毎週見ている、という話をすると、「ああ、お笑いが好きなんですねー」と言われるのだが、別にそんなにお笑いが好きというわけではなく、ただ「アメトーーク!」という番組が好きなのである。 そもそも最近はあまりテレビを見てお…