2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧
正しい歴史認識とは、「何年何月何日に、どこそこで、こんなことがありました」ということを、正確に認識することなのだろうか。あらゆる事実に関する、そのような知識の総体こそが、歴史なのだろうか。 アーサー・C・ダントーの『物語としての歴史ー歴史の…
世に溢れるビジネス書、自己啓発本というものは、多かれ少なかれ成功者の自伝という要素を持っている。 勝ち組の著者が「私はこんなふうに生きてきました」と人生を語れば、それが読者によって「そんなふうに生きれば成功できるんだな」というノウハウに変換…
怒濤の毎日連続更新を始めたのが、先月の15日だったので一ヶ月は経過したことになる。 その間、つねに自問していたのは「こんなことやってて意味あるのかな」ということで。 十分に意味を感じることができたから一ヶ月続けられたというよりも、まだまだ意味…
文化の優劣 世界の国々には様々な文化があり、そこには個性の違いがあるだけで、「進んでいる」や「遅れている」といった区別があるわけではなく、優劣によって比べることはできない。すべての文化は対等である。 と、いうような文化相対主義の考え方は、あ…
学生たちのリアクションの薄さに、やや戸惑い気味の模様。 ああ、韓国の大学にいたときには、随分と学生達にチヤホヤしてもらってたんだなあ、と思いましたね。今さらながらカムサハムニダですよ。 もっとも、韓国の大学では20人以下の少人数クラスで日本語…
ふむ。 明日から、とある大学で授業をするのだが、相手は体育大学の一年生で、どのぐらいの知識を前提に話をすればいいのか見当がつかない。ほぼ必修に近い、大教室の授業のようです。 今の社会は近代になってから生まれた 前も少し書いたように、科目名に「…
昨日の記事(良い小論文、悪い小論文(1))では、小論文対策の受験参考書には、なかなか良いことが書いてあるよと紹介したうえで、『樋口裕一の小論文トレーニング』という本の中から宿題を出したのですが、まずはその答え合わせから行きましょうか。 樋口…
韓国では作文も教えたけど 四月からある大学で非常勤講師をやるのだが、それだけでは収入低すぎるだろということで、知り合いが起業して軌道に乗せている予備校で、お世話になることになりそうである。 それで、どの科目を担当したいかという話になって、最…
僕が実名で書ける理由 10年か、それ以上前の僕は、「いまの自分はこんなんだけど、将来まったく違う人間に生まれ変わって、この自分を恥ずかしく思うときが来るかもしれない」という感覚を持って生きていた。 例えば、10年かそれ以上前の自分と言えば、モー…
朝鮮半島分断の責任はどこの国にあるか 韓国の人たちが抱く、日本に対する忸怩たる思いのなかには、「なぜ韓国が分断されて、日本が分断されなかったのか」というものがあるらしい。 確かに、もう一つの敗戦国であるドイツは東西に分断されたのだから、日本…
「へえ、何を研究なさってるんですか」と初対面の人などに聞かれて、「テツガクです」と答えるのがいつも恥ずかしいのだが、「哲学?どんな?」と掘り下げられて、「ええ、まあ、自由について、とかですね」と答えるのも、さらなる羞恥プレイである。 「倫理…
自由とは「そうしないこともできたはずだ」という後悔のことである。 中島義道さんの『後悔と自責の哲学』という本に出てくる、そんな考えについて前回、紹介した(自由とは後悔のことなのか〜中島義道『後悔と自責の哲学』 - 青空研究室)。 では、その後悔…
「選択可能性と道徳的責任」と『後悔と自責の哲学』 前回の記事(こんな僕でも訳者になれた )では、『自由と行為の哲学』と題された共訳書のなかで、フランクファートという哲学者の「選択可能性と道徳的責任」という論文を翻訳したことがあるんですよ、と…
『自由と行為の哲学』について こんな僕にも、研究者らしく、訳書というものがあった。 『自由と行為の哲学』という本がそれである。もう四年前になるのか。 自由と行為の哲学 (現代哲学への招待Anthology) 作者: P.F.ストローソン,ピーター・ヴァンインワー…
前のエントリー(誰が世の中のことを一番分かっているのか〜コンサルタント的知性について)は、問題提起しただけで終わってしまった。 なるべく1500字ぐらいに記事を収めようとしているのと、23時59分までに毎日更新というのを心がけているので、中途半端な…
文芸批評の時代 「かつて文芸評論家が担っていたような役割を、今は社会学者が担うようになった」ということが、よく言われた時期があった。十年ぐらい前の話である。 まあ、ほとんどの人の耳にはそんな声は入ってこなかっただろうが、僕が読んでいたような…
去年まで二年間韓国にいたので、日本の桜を見るのは三年ぶりになる。 韓国にもたくさん桜の木があり、花見をする人たちもたくさんいることは、ソウルにいたとき、当時のブログで紹介した(【動画】ソウルの桜の名所へ行ってきました | 旧 青空研究室 跡地)…
僕ぐらいの年齢になると、自分より年下の物書きが華々しく活躍するといったことも、いちいち嫉妬してたら身が持たないほどあるわけだが、年下の評論系の人のなかで僕がいちばんリスペクトしているのは、イケダハヤトさんである。 僕が最近ブログを毎日更新し…